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事業撤退とは?やめる難しさの解決には判断基準の設定が大事

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事業撤退は、経営者にとっては苦渋の選択です。例えば、「新規事業を始めました」「事業を買収しました」といった話は前向きで、華々しさがあります。しかし新しいことを始めるよりも、今やっていることをやめることの方が難しいのは事実です。

特に成長前提のスタートアップ企業においてこそ、この「事業をやめる」「撤退する」という視点を最初から持つことで、リスク管理できるというメリットがあります。今回は、成清花菜氏のコラムの後編です。前編の『共同創業はやめたほうがいい!?実際に体験したエピソードをご紹介』も参考にして下さい。

1. 儲からない事業になってしまった

会社をたたむことにした理由は、大きく2つあります。まず最初の理由は、ハラサポの食事指導サービスが「儲からない事業になった」からです。その原因は、「人件費と広告費が高い」「利益率が非常に低い」ことでした。

またビジネスモデル自体も、買い切りというフロー型のビジネスモデルになっており、永遠に新規顧客を獲得する必要がありました。

これらの対策として、人件費の削減や、継続率とリピート率の向上のための施策を打ちましたが、結果は思わしくありませんでした。この経験から皆さんにお伝えしたいのは、やはり事業を継続するためには「利益が出ないといけない」ということです。

そして何より起業前に、「儲かりやすい事業を考える」ということです。

2. 起業時の初心とずれてしまっていた

会社をたたむことにした2つ目の理由は、会社設立時の初心と現状がずれていることに気づいたからです。もともとハラサポは、共同創業者の想いを普及させたくて立ち上げたものでした。

しかしその共同創業者は、会社設立後に健康上の理由で離脱を余儀なくされました。元来共同創業者の想いを普及させたくて立ち上げたにも関わらず、本人がいない状況でこれ以上続けるのは、会社設立時の想いとは違うのではないかと、改めて気づいたのです。

今冷静になって考えてみると、共同創業者が離脱した瞬間は、頑張って継続することしか頭にありませんでした。つまり、責任感にとらわれて少しパニックになっていたと思います。

実は、私は会社を設立する時に、「なぜ事業を始めるのか」という理由をメモにしていました。たまたまそのメモを見返す機会があったのですが、そこには「共同創業者の〇〇さんを応援したい」とはっきり書かれていたのです。この言葉を発見した時、会社を継続している理由は設立時の想いではなく、個人的な意地であることを悟ったのです。

そして設立時の想いという信念を見失っていた自分には、「儲からない事業」を「儲かる事業」に変える力は残っていませんでした。

3. 失敗から学んだこととは

ハラサポ事業の撤退は、完全の私の実力不足でした。また新たに事業を立ち上げる時に教訓にしたいことが、3つあります。それを、ここではご紹介したいと思います。

3-1. 人材への報酬設定は慎重にする

一度スタッフのお給料を決めると、その後に下げることは簡単ではありません。スタート時点では、ギリギリのラインで報酬設定をした方がいいと思います。

3-2. フロー型ビジネスはリピート率が生命線

もしあなたがフロー型ビジネスを始めたいならば、リピート率が高いことを確認してから始めるようにしましょう。拙速に事業を開始するより、そういった重要ポイントを把握してからの方が、事業の成功率や継続率は飛躍的に高まります。

3-3. システムやモノに基づくビジネスから始める

人を中心に据えたビジネスは、提供価値がわかりにくいという側面があります。また人間ですから不確定要素が生まれやすく、事業継続の難易度が高くなりがちです。起業する場合、できればシステムやモノに基づくビジネスから始めるのがリスクが低いといえます。

4. 事業を撤退するのは経営者次第

事業撤退 理由

事業の状態4象限


 

結論から申し上げると、私は事業を撤退するのは経営者の気持ち次第だと思います。上の図は、事業の状態を4象限に分けています。例えば①部分は、黄信号ですが、継続しても良いでしょう。信念がなくても儲かるのであれば、割り切って継続する経営者もいると思うからです。ただし、それが長期的に続くかどうかは要注意です。

②部分は青信号で、継続して全く問題ないです。やる気があって儲かるのであれば、継続は明らかですね。

③部分は、赤信号で絶対撤退すべきです。火を見るよりも明らかで、早々に撤退した方が良いでしょう。正直、私のハラサポ事業はこの状態でした。

④部分は黄色で儲かりにくいですが、信念があれば継続しても良いでしょう。副業で稼ぎながら続けるのもアリです。また慈善事業でも良いですし、信念があれば、粘り強くなんとか儲かるように変換することもできるかも知れません。

私の周りには、この状態で努力を続けている方が多くいます。そしてそういった方々を、心から尊敬し、応援しています。しかし本記事でお伝えしたように、「一度撤退して仕切り直す」という選択肢があることも、覚えておいて頂きたいと思います。

ここで強調したいのは、最後に触れた黄信号の④部分です。なぜなら、④部分は「信念」という可視化しにくいものが基準になっているからです。悩みの解決の糸口として1つだけお伝えすると、信念に疑問を持ち始めた時点で、それは信念が崩れてきていると考えるべきだということです。

もしあなたが事業の継続か撤退で悩んでいるのなら、自分の事業に対する信念について、再度見つめ直すことをおススメします。そこで少しでも自分の信念について疑問があれば、撤退も視野に入れるべきだと私は考えます。

信念を持つことは素晴らしいことです。しかし事業はビジネスであり、その時の外部環境によっては、信念を貫き通せないこともあります。

このように、私は事業を撤退するのは経営者の信念次第だと考えています。

5. 最後に

私は、株式会社ハラサポのお客様や応援して下さった方々、一緒に働いて下さった方に感謝しています。また私は株式会社ハラサポを設立したこと、共同創業者がいなくなっても1人で約1年間継続したことを、全く後悔していません。

最後に、ハラサポの意思を受け継いで下さった企業様をご紹介します。どの企業様も、食事を通じて人々の人生を豊かにする素晴らしい事業を展開されています。

eatas株式会社
データを活用し、「栄養」と「コミュニケーション」を通じて顧客のパフォーマンスを最大化するアプリを運営されています。経験豊富な管理栄養士が監修しているコミュニケーションがしやすいアプリです。管理栄養士の暗黙知が可視化されることに期待大!

A-yoshi
ダイエットと栄養、食事の専門家。男性の管理栄養士の方が、ダイエットサポートからレシピ考案まで幅広く実施されています。落語が趣味の方で、楽しいダイエットサポートになること間違いなし!

食と健康マネジメント
管理栄養士のクラウドソーシングです。管理栄養士として支援できる業務の内容や地域、管理栄養士ごとの得意な分野で、企業で求められているスキルを持った管理栄養士を探すことができます。経験豊富な管理栄養士の方が取りまとめているので、高品質にお仕事を完了してくださいます!

DIET CURE
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U-PLUS
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<執筆者情報>
成清花菜/製造業Saasセールスの人
ものレボ株式会社セールス / 経営学修士 MBA / ものづくり勉強中 / 音響設計学科卒 / 福岡▶︎京都 / 法人営業▶︎エンジニア▶︎事業開発▶︎起業▶︎事業売却▶︎製造業SaaSセールス

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