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中小企業が、経済の大きな柱であることは疑いの余地がありません。しかし、その生き残りは容易ではありません。ここでは、中小企業の倒産率に焦点を当てて、深堀りしてみましょう。
1. 中小企業の現状
日本の中小企業の数は全体の99.7%を占め、雇用の69.4%(出典:2021年経営白書)を担っています。しかし、その実態は厳しく、毎年多くの企業が市場から姿を消しています。
2. 倒産率とは?
倒産率とは、特定の期間において倒産した企業数を、その期間初めの総企業数で割ったものです。これは、企業の健全性や市場環境の指標として利用されます。
3. 最新のデータから見る中小企業の倒産率
2021年の経営白書や関連する調査データによると、中小企業の倒産率は前年比で微増しており、特定の業界や地域での影響が大きく見られました。具体的には、2021年の中小企業の倒産率は約2.5%で、これは2020年の2.3%よりも0.2ポイント上昇しています。
この上昇は、新型コロナウイルスの影響や外部環境の変化、技術進化に追従しきれない企業の苦戦が背景として考えられます。特に、飲食業や観光業は、緊急事態宣言や外出制限の影響を受け、多くの企業が厳しい経営環境に直面しました。
これに対し、IT業界や健康産業などは、テレワークの需要増加や健康意識の向上に伴い、成長を遂げています。
4. 倒産の主な要因
中小企業の倒産の背後には、多様な要因が絡み合っています。以下に2021年の主な要因を挙げ、それぞれの詳細とデータを解説します。
4-1. 資金繰りの悪化
・経営白書によれば、2021年に倒産した中小企業の約60%が資金繰りの悪化を主な要因として挙げています。
・新型コロナウイルスの影響により、売上の減少や取引先との契約のキャンセル、延期が増加。これにより、収入の途絶やコストの増加が生じました。
4-2. 人手不足や技術革新への適応困難
・人手不足は、特に飲食業や建設業などで深刻となっており、約30%の企業がこれを経営上の大きな課題としています。
・技術革新に対応できない企業も増加。特に製造業や小売業でのデジタル化の遅れが影響しています。
4-3. 競争激化や市場の縮小
・オンラインショッピングの普及や大手企業の市場参入により、約40%の中小企業が競争の激化を感じています。
・また、消費者の嗜好の変化や経済状況の悪化により、一部の業界では市場そのものの縮小が進行しています。
これらの要因を乗り越えるためには、適切な資金計画や経営戦略の見直し、技術や市場トレンドに即した取り組みが必要となります。
5. 生き残りをかけた戦略
中小企業が厳しい経営環境の中で競争力を持ち、持続可能な成長を目指すための戦略的取り組みは必須です。以下は、そのための具体的なアプローチをいく
つか示します。
5-1. 資金調達の多様化
5-1-1. クラウドファンディング
・特徴: 多くの個人から少額ずつ資金を集める手法
・利点: 事業やプロジェクトの魅力をアピールし、ファンや顧客を獲得することが可能
・例: Makuake、READYFORなどの国内プラットフォーム
5-1-2. 地域の金融機関との連携
・特徴: 地域密着型の金融機関からの融資を活用
・利点: 地域の経済を支えるパートナーシップの形成が期待できる
・例: 地方の信用金庫や信用組合との協力
5-1-3. ニッチな市場や新しい技術への進出
・特徴: 既存市場の飽和や競争を避け、新しい市場や技術に挑戦
・利点: 顧客の新しいニーズに応え、独自性を確立することができる
・例: 伝統的な技術を用いた新しい商品の開発や、IoT・AI技術の導入
5-1-4. ニッチな市場や新しい技術への進出
・特徴: 不得手な業務や時間を取る業務を外部に委託
・利点: コア業務に集中し、経営の効率を向上させる
・例: 会計や人事業務のアウトソーシング、生産や物流の外部委託
これらの取り組みは、中小企業が長期的な成功を目指すための基盤を築くのに役立ちます。
6. 資金計画の策定
事業を成功させるためには、適切な資金計画が不可欠です。計画的な資金調達と適切な資金管理は、事業の継続性と成長をサポートします。以下に、資金計画の主要な要点を具体的に挙げます。
6-1. 初期投資
◇目的: 事業の立ち上げや最初のステップをサポートするための資金
◇内容
・設備投資: オフィスや店舗のレンタル、機器の購入など
・人件費: 従業員の給与、研修費、採用活動に関する費用
・広告宣伝費: 新事業や商品の宣伝、ブランドイメージの構築のためのマーケティングコスト
◇考慮点: 売上からの回収期間や支払サイクルに応じて、流動資金の最適なレベルを維持する必要がある
6-2. 運転資金
◇目的: 日常の業務を継続的に行うための資金
◇内容
・原材料の購入、製品の製造コスト、日常の運営コストなど
◇考慮点: 売上からの回収期間や支払サイクルに応じて、流動資金の最適なレベルを維持する必要がある
6-3. 予備資金
◇目的: 予期しない出費や困難な時期を乗り越えるためのバッファとしての資金
◇内容
・市場の変動、自然災害、経済の不況などの緊急時に備えるための資金
◇考慮点: 事業の規模や業界の特性、経営環境のリスクを考慮して、適切な額を確保することが求められる
これらの要点を参考にして、具体的な資金計画を策定することで、経営の安定性や事業の成長をサポートすることが可能となります。
7. 市場リサーチとニーズの把握
7-1. 競合分析
他社との差別化点を明確にし、市場での立ち位置を理解する
7-2. ターゲット市場
ターゲットとする顧客層を特定し、そのニーズをしっかり把握する
8. 人材確保と教育
8-1. 採用
必要なスキルや経験を持った人材を採用する
8-2. 研修
新たな人材の教育や、スキルアップのための研修体系を構築する
9. 技術・知識のアップデート
9-1. 業界トレンド
新しい技術や市場の動向を、常にキャッチアップする
9-2. 研修・セミナー
外部の専門家やセミナーを活用し、知識や技術を更新する
10. ネットワーク構築
10-1. 業界団体
業界の最新情報やトレンド、ネットワークを広げるための参加する
10-2. メンターシップ
経験豊富な起業家や、ビジネスパーソンとの関係を構築する
中小企業の挑戦は多岐にわたりますが、その道のりは起業家の手の中にあります。計画的な資金管理、市場のリサーチ、人材の確保・育成、最新の技術や知識の維持、そして強固なネットワーク構築は、中小企業が成功するための5つの鍵と言えるでしょう。
<執筆者情報>
株式会社ラグジュアリー 代表取締役 春野英理(はるのひでみち)
九州大学 大学院経済学府卒。専攻は産業マネジメント。新規事業開発や財務分析が主たる職務。(※保有資格:MBA経営学修士・ファイナンシャルプランナー2級・宅地建物取引士・貸金業取扱主任者・賃貸管理経営管理士・保育士・職業能力指導員等etc…)
二代に渡る公務員の家庭で育ちながらも、22歳で早期に起業。創業時は美容関連事業を選定(※現在子会社としてグループ化)。
30業態以上の企画立案/構築〜譲渡/売却経験を持ち、現在では不動産事業・保育事業・人材紹介派遣/教育事業を主とした株式会社ラグジュアリーの代表を務める
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